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人に発信するものがある人が羨ましい。
伝えたい想い、不満、喜び、反骨精神なんてないよ。空っぽな人間なのかもね。
人に聴かせたいメロディも歌詞もない。
書きたい物語なんてない。
どうしても学びたいことなんてないし。
そんなのを持っている人が羨ましい。
確固としたものが自分の中に形成されている人が羨ましい。
笑顔で挨拶できる人が羨ましい。
つくづくつまらない人間なんだと思うよ。
人生成功する人、全て掴んでいく人ってそういう人でしょう。私はどこにいる。
いつからそんな素晴らしい人との溝が生まれたのか、はたまた生まれた星が違うのか。だとしたらそれは天性のもので、私はそんな人達を一生羨ましく思い続けなければいけない運命なのかな。
明るい人、行動力がある人、番人受けする人がいいよね。
明るさがない人は明るい人を羨むけど、明るい人は暗い人を羨むことはないでしょう。
結局最初から決まっているのか。
結局月は一生太陽にはなれず、その眩しさに目を細めるしかないのかな。
そんなエネルギーがどこから湧いてくるのか教えてほしい。私はエネルギーの貯蓄可能量が少ないから、少し人と会ったらすぐ1人になりたくなるし、バイトしたら遊ぶより家でだらだらしたいし、誘ったり企画したり面倒くさいからしたくない。
彼らと私の何が違うのか。
何に優劣をつけられているのか。
こんな私と話したい人なんていないね。
いてもいなくても変わらない生徒Bの役割を全うするよ。
女の宿命
満員電車の中でちらっと見えた女の子。
その表情や仕草から話し相手は男子だろうなと予想。
駅に到着して人が動く。
話し相手が見えてやはりそういうものかと少しがっかりした。
女という生き物は異性に対して女を前面に押し出す。
女と男、対象が違うとこんなにも顔が違う。
つまらない。
この心はどこにある。大げさに胸の前で手を合わせ動かす心理はなんだ。お淑やかぶるその仮面は何を見ている。
それが全て恋心という五文字に突き動かされているのだとしたら、実に巧妙だ。
自分を染め上げることができる恋というものは何者か。
先天的なものか、後天的なものなのか。コイゴコロというスイッチでそれらを適切に稼働させる指令が、遺伝子に組み込まれていたらもう笑うしかない。
馬鹿らしい。しかしそれが女の宿命か。
男は女に色気を見出し下心で近寄る。
それは女が故意に出してるものなのか、男が色眼鏡で見ているものなのか、はたまた壊れた蛇口のように溢れ出るものなのか。
下心はコイゴコロではない。男は女と違うところにスイッチがついている。それこそ理解し得ないし分かりたくもないし嫌悪を抱く。そんな罠に嵌ってもがきたくない。
コイゴコロの奴隷にはなりたくない。
そんな自分のスイッチが切り替わってしまうような、明らか女の顔をした自分を自覚したくない。
私は一人間として生きていたい。
心と身体の大人具合。
なんとなく、むしゃくしゃして
なんとなく、投げやりになって
初めて自分のお金で煙草を買った。
ハタチの壁に心がついていけない時期だった。いつまでも子供でいたい時期だった。
初めてだから開け方に失敗して、吸い込みすぎて咳き込んだ。格好悪く「煙草 吸い方」で検索したりして、慣れたふりをしてベランダで吸った。
口から吐き出される煙をみていると、なんだか心まで大人になれた気がした。
ゆらりゆらりと揺れている煙が、心の形のように見えた。
多分、まだ大人にはなれない。
これからも、身長を誤魔化すように膝を折り曲げ続けるんだろう。
それでも、無理に背伸びするよりはマシかもな。
ゆっくりと認めていけたらいいのだと思う。
多分、煙草は当分吸わない。